『茶席の禅語』
春来草自生(はるきたらばくさおのずからしょうず)ー自然の流れに逆らわず
◇その年齢にならなければわからない心境。その時が来なければわからない心境があります。 春が来れば、草は自然に生えてくる。 草が自分の意志で生えてくるには、その時を待つ以外にない、という禅語です。
◇親がどうの、上司がどうの、先生がどうのと言ったって、言われたから仕方なくやっているうちは芽は出ません。本人ひとつも気が入っちゃいない。にこにこしながらやっているのは顔色を窺うからでね嫌なら嫌と言う方がましかもしれません。
◇自分からやる気にさせるには、その「時」を待つことです。 今からやっておけば将来有利だとか、コツを教えてくれれば若くたって修得できるはず、と思うのは拙速。
◇無理矢理秋に芽を出してみたら、幼いうちに冬が来て、いっぺんに凍えてしまうのが関の山。自然の流れには逆らえません。
<引用文献>
二玄社「続 ほっとする禅語70」
<監修> 野田大燈 <文> 杉谷みどり <書> 石飛博光
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photo 2011.
model:BITSUKESHI HISAYO HAMADA